漱石考

こんにちわ、長府店の要田です。毎回ブログには何を書こうか頭を悩ませながらの日々ですが、今回は先日社長から薦められた漱石の『草枕』を読んでの感想などを書いてみようかなと思います。今回は写真が全くないので内容的にも華やかさが全くない事をご了承ください。

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。

冒頭の有名な一文ですが、なるほどなぁと思いました。理性ばかりではギスギスしてしまう、かといって人の事を思いやってばかりでは自分がままならない、自分ばかりを主張しても人間関係を狭くしてしまう。

この『草枕』を書いた時漱石は39歳で、それまでの半生(49歳で生涯を閉じてしまうので、この時点でかなり後期ですが)や繰り返しの病気などから、度々神経衰弱(今でいう鬱病)の療養をしてきた漱石にとって人付き合いがかなり煩わしいものだったのかな、と思います。僕も以前ある人から「自分をどういう人だと思うか」という質問をされた時に『厭世家』であると表現したことがあります。三国志で1番好きな諸葛亮孔明が劉備の訪問以前世俗を離れ、隠棲していたのにも憧れがあったからでしょうか、思い通りにいかない人付き合いよりも、一日中読書に耽ったり好きなものに囲まれている方が性に合っている気がしています。

ともかく主人公は人里離れた温泉宿に療養を兼ねて旅をします。そこで出逢う宿の女将さんに興味を持つのですが。人間に嫌気がさして距離を置くために一人旅に出た主人公がやっぱり人に興味を持つところに物語の深みがあるような気がしました。

詩歌や芸術の評論、英文学への造詣の深さなど、それまで漱石について詳しく知らなかったので、調べてみました。大学は今の東大、それもかなり優秀な方だったみたいですね!大学の同期で最も影響を受けたのが正岡子規、彼から俳句や短歌を学んでいます。漱石といえば小説、という浅い知識しかなかったので驚きです。その後大学の講師などを経ていますがこのころの経験が『坊っちゃん』につながっていくんですね。子規の実家で高浜虚子と知り合い、彼の影響もあって文学一筋で生きていく道を選んだのが39歳、かなり遅いデビューですが、その分いろいろな経験が作品にいきているようです。

漱石の門下に芥川龍之介たちがいたということにも驚きです!彼らが毎週木曜日に親交を深めたことから木曜会と呼ばれたということにも、やすもりとの縁を感じます。余談ですが。

フム、何を書いているかまとまりがなくなってしまったので、今回はこの辺で(^^)